前日の日記の続きです。
やっぱり乗り遅れました。フランクフルトで。
ほぼ1時間遅れでダブリンを出発したヒコーキは、当然の帰結としてフランクフルトに1時間遅れで到着。接続時間は70分。間に合うわけがない。
いや、あるいは走れば間に合ったかもしれない。出発までまだ15分ある。入国審査で5分。保安検査でさらに5分。個人的にマラソン通路と勝手に呼んでいるエリアBからAまでの地下道全力疾走で5分、都合15分で、もしかするとほかにも遅れている人がいるとかの理由でゲートは開いている可能性はゼロではなかったと思う。だけど「めんどくせー」というのが先に来た。
それにさ、ヒコーキがまだゲートに着かないどころか、未だに誘導路のはずれのほうにいた時点から立ち上がって降りようと前方の出口に突進したアホな客が2名。こーゆーあさましいアホタレを見ると自分はああはならないぞ!と思うのが私の性格でもある。実際ヒコーキがゲートに到着するなり、わさわさと人を押しのけて降りようとするやつが何人もいた。見てて実にかっこ悪いと思う。
というわけで、ヒコーキから降りてみると、すでに案内が出ていた。A18ゲートに来いという案内のかわりに
「Hannoverに乗り継ぎの方はサービスカウンターにお越しください」
はいはい。行きますよ。サービスカウンター。
日ごろは誰もいないサービスカウンターに人がわさわさと並んでいる。こりゃひでーわ。多分並んだら平気で1-2時間は待たされるパターンだぞ。開いているカウンターは4箇所で、並んでいる人は優に50人を超えている。で、別の便に予約したり、ホテルを予約したりで一人一人の対応に10分かかるとすると2時間待ちの計算になるもんね。
こちらはほぼ48時間後の同じ場所の様子。誰もいない。これが通常の状況。
ところが、優先カウンターは前に一組の人が並んでいるだけ。ビンボー人の癖になぜかゴールドカードを持っている私は10分待つことなくカウンターにたどり着いた。正直に言って、荷物の許容量が増える以外で初めてゴールドカードが使えるなと思った瞬間。
で、カウンターのお姉さんと冗談を言いながら話を進める。私はすでに翌朝の1便に際予約されているらしく、あとはホテルを見つけるだけだそうな。あの写真の通りの状況だから、フランクフルト周辺のホテルは満室で、運が悪い人は、フランクフルトより80キロほど南のハイデルベルグ周辺のホテルにまで回されているとのこと。…ってまあ、どこぞのくされRyanairあたりではホテルどころか水すら出ないんだから、たとえこのカウンターで2時間待たされた挙句にハイデルベルグのホテルをあてがわれたとしても、まさに「ないよりマシ」といえると思う。
そうそう、このカウンターで待つ人向けに、水がちゃんと用意されてました。ルフトハンザさん、お客を長時間待たせるのはいかがなものかと思いますが、ちゃんと客を客扱いすることを忘れていない気がします。
そんな中、私はどーなったかというと、なんとルフトハンザの費用で空港直結のシェラトンホテル、2食付…と相成りました。
シェラトンかいっ。
このホテルより空港に近いホテルは少なくともフランクフルトには存在しない。何せ、空港前のバス停をはさんで反対側なんだから。ほかの乗り遅れたお客さんがバスで1時間とかかけてほかのホテルに移動する中で、これはありがたい。その人たちよりバスでの移動時間分長く眠れるってことだもんね。
で、シェラトンシェラトン♪と歌いながらスキップを踏みつつ渡り廊下を渡る私に現実は容赦なく迫ってくる(念のために申し添えますが、歌ってもスキップを踏んでもいません。あくまで誇大な表現です)。
シェラトンに入るなりチェックインは大行列。ここで10分以上待たされる(写真は人が引いた後に撮影)。
で、あてがわれた部屋は4階…なのはいいんだけど、それは長い長い廊下の果て(廊下の写真を撮ったのですが、紛失…すまん)。
あとで調べてみたら、このホテル1,000室以上の部屋がある。しかも70年代という私は建築業界にはずぶのシロートだけど、おそらくいちばんつまらない建築物が量産された時代の産物。平たく言えば、清新さもなければ、伝統的な重厚感もないつまらん建築物なのよ。
というわけで、さっきの長い廊下の果てにあった部屋は…大して広くないクイーンサイズのベッドの置かれた部屋。いや、広くないどころか…狭いぞ(同じく写真紛失)。
なーにがシェラトンだ、部屋も広くないし、天井も低いしフツーのビジネスホテルとレベルはかわらねえじゃねえか…ってか、各種サイトで見る写真とこの現実の差は何だ?
これはいつも言うんだけど、ホテルなんてさ、清潔なベッドとバス・トイレがあればあとはなんでもいいんだよね。5つ星とかのホテルに金をつぎ込む人の心理がわからん。
ちなみに、バスルームはには午後10時過ぎという遅い時間にチェックインしたからか、ルフトハンザが値切り倒したからかは知らないが、バスタブすらない。うん、誰がどー見ても3つ星クラスのビジネスホテルだわ。これ。
で、ルフトハンザが30ユーロまでなら夕食代を出してくれるというので、夕飯はおろか、昼飯まで会社であまりの忙しさで食いっぱぐれていた私、機内で出た一口サイズのサンドイッチじゃ足りるはずもなく、ロビー階にあるバーに食事に出た。ちなみにすでにレストランは閉まっていた…午後11時だもん。ところが、バーでも
バーテンダー:「食事は午後11時で終わりでございます」
がくっと肩を落とした私に
バーテンダー:「ルームサービスならお受けできます」
というわけで、味も素っ気もない部屋に戻る。で、生まれて初めて(というのも情けないが)、ホテルのルームサービスを頼んでみる。まあ、サラダだったからか知らんが、10分もしないでドアがノックされた。そして、出てきたのがこれ。
サラダとビール。
これで26.5ユーロですよ。3300円!ホテルってのはいったいどんな殿様商売をしてるんだよ。
ひとりで決してまずくはないんだけどとことんわびしい夜食を食べていると、いつの間にか12時に。なぜか突然テレビがつく。タイマーなどをかけた覚えはない(ってかテレビなんか最初から触っていない)。もしかすると、さすがドイツ、ポルターガイストの地元なんですか?
翌朝、シャワーを浴びて、食事をすることを考えると8時過ぎのフライトに間に合うためには6時半には起きなければ。というわけで、寝たのはいいが、眠れない。小心者といわれれば返す言葉がないのだけれど、翌朝に早く起きなければいけないという状況になると、いつも寝坊をすることを恐れるばかりに眠れなくなるのだ。確かにベッドは快適だったけど、ホテル特有の乾ききった空気のおかげでのどはからからに。なんだか寝たんだか寝ないんだかわからないまま朝が来る。
で、シャワーを浴びたのだが、まあ、水圧は足りないわ、温度は一定しないわで最悪。そういえば、昨晩は歯ブラシすらおいてなくてわざわざフロントまで取りに行ったな(フロントの写真はそのとき撮影)。ホントに万一シェラトンの関係者の方が読んでらしたら申し訳ないけど、このフランクフルト空港のシェラトンは、ホントにたいしたもんじゃありません。
で、ホテルにとって最後の汚名挽回のチャンスは朝食なのですが…終わってた。おそらく私のように悪天候のために一泊した人が多数出たのであろう、大食堂と呼べる広いダイニングは完全に満席。しかもバイキングで完全セルフサービス方式で、席も自分で見つけないといけない。ようやく席を見つけたと思ったら、その席にもともと座っていた人が戻ってきた。最悪の気分。結局2周したところでウェイトレスに「場所ないの?」と聞くだけ無駄なことを聞いたら、すぐ隣の席にいた一人旅の女性が相席をしてくれた。
食事はバイキング方式で、ありとあらゆるものがあった。豪華といっていい。もっとも豪華じゃなくちゃいけない。なにせ28ユーロ(3500円)も取ってるんだから。だけどさ、席が見つからない人、おかわりを目当てに動き回る人などで、ホントにマクドナルド以上にわさわさしてるのよ。とても落ち着いて食事ができるような状況になく、挙句にウェイターウェイトレスも絶対的に戦力(人数)不足でコーヒーのおかわりすら回ってこない。もう、絶望的な気分になって、フルーツとヨーグルトだけ食べて退散。そして、チェックアウトのためにカウンターに行くと、ここがまた絶望的に混んでいる。私のようなヒコーキに乗り遅れたアホタレのせいと言えばそれまでなんだけど、もう、「だめだこりゃ」としか表現の仕様がない。
のんびりとした食事とチェックアウトに1時間を見ておけばよかったと思ったわたしはとことん甘かった。ホテルを出た時点ですでに搭乗予定時刻に。フランクフルト空港ではスタアラのゴールドメンバーは優先搭乗ができるから大行列の保安検査を5分程度で抜けられたけど、それがなかったらおそらくヒコーキに乗り遅れていただろう。
結論:フランクフルト空港のシェラトン、名前負けにつき退場処分。
…ってか、航空会社の費用ではなく、自費で泊まっていたらもっとまともな体験ができたのだろうか。こんな四の五の文句を言いつつ、往復の航空券は例によって最低の155ユーロ(2万円)だったことは、あまり大声ではいえない事実。