再びあのくされ会社の詐欺行為を糾弾する

前回と前々回の日記、眉間にしわを寄せなければ語れないような重い内容でしたので、本日はいつものお得意ネタを軽く…と書いている割には上のタイトルが初めてこのサイトに来られたという方にはえらく重そうに見えるんですけどね。

日本からの国際線でも使われることで日本にお住まいの方もご存知の方が多いと思われる空港の保安検査で利用が義務づけられているこのバッグ、不便です。実に不便です。


ご存じないという方、何の話だっけという方のために軽く説明すると、液体の危険物(爆発物)の持込によるテロ行為の予防という観点から2006年の暮れより機内への液体の持ち込みは容器一つにつき100ml以内のものをこの20センチ四方の透明なバッグに入れて保安検査のときにノートパソコン同様別にX線の検査を受けることになっています。


重箱の隅をつつく方のが趣味の方のために書いておくと、ヨーロッパの一部の空港ではノートパソコンをかばんから出さなくてもいい空港もありますし、この100mlの規定には処方箋薬だとか一部の例外もあります。


ことこの点については男の私はラッキー。やれ化粧水がどうのメイク落としがどうのと言わない。液体の類で持って行かなければならないのはせいぜい歯磨き粉くらいで大したことじゃあないんですが、それでも日本からお土産に買ってきた日本酒を預け入れしなければならなかったり、コンタクトレンズの保存液が実はビミョーに100mlを超えているので持込できなかったりと、いろいろ不便。ちなみに、上の袋は今回の日記のためにその辺にあるもんを詰めてきました。あれを持って行ったわけではありません。


確かにヒコーキを爆破されちゃあかなわないし、安全のためにやむをえないと言われれば返す言葉もないんだけど、ほんじゃあこの規制のない日本の国内線は危険なのかとか、10人くらいで徒党を組んで100ml以内の容器に危険物を小分けに入れてあとで混ぜたらどーなるんだとかいろいろへ理屈を並べることは可能だと思います。さらにちなみに、液体の中身はある程度調べることができるようですが。


まあ、そんな規制が始まってはや2年半。年に1度ホリデーに行くときしかヒコーキに乗らないよという人も2年半も経てばこの規制のことを知っている計算になるわけで、だんだん各空港で無料配布されていたこの袋が有償配布に変わってきました。そんなわけで今月からダブリン空港でもこの袋が有償化されることに。


アイリッシュタイムズの記事(当然英語)、魚拓はこちら


英語の記事なんて読む気がせんという人のために例によって私によるテキトーな解説。


ダブリン空港の広報担当者によると、なんでもこの袋の無料配布で年間7万ユーロ(900万円くらいか)が使われていたんだそうな。ほんで、ダブリン空港は「おそらくヨーロッパで最後まで無料配布している空港」なんだそうな。なるほど。言われてみると、最近どこの空港に行ってもこの袋は有償だわ。で、値段も横並びでふたつ1で1ユーロ(イギリスポンド圏では1ポンド)。なので、まあ、横並びという意味では妥当な線ではないかと思う。

先日ダブリン空港に行ったらありましたよ。この袋の自動販売機。この駄菓子屋の前にあった「ガチャガチャ」を髣髴とさせる機械で袋を二つ1ユーロで販売中。あのー、もしかして袋よりガチャガチャのカプセルのほうが高くついているとかいうオチはないっすよね。きっと。数分間機械の前に立ってましたが(ヒマだね、オレも)、結構売れている模様。


確かにスーパーでも個の袋は買えるんだけどそんなこと知らない人のほうが多いだろうし、空港に来てはじめてこのことを思い出す人も多いような。この不景気の世の中である意味いい商売かもしれないと愚考。


ところがこの記事の後半で噛み付いたのはあのくされRyanair。黙ってりゃいいのに、他所様のことにまでいちいち口を出す会社(←お前もそうじゃねえか)。広報担当者いわく


“this is a blatant example of the DAA making a bags of things and overcharging passengers”


Snigelによるテキトー訳:「これはダブリン空港公社によるぼったくりの露骨な例です」


…まあ、これ自体、確かにそうかもと思わせるフシはある。お客が減っているのに新しいターミナルを作り続けたりとか文句を言いたい部分は確かにある。が、次の一文を読んだとき、私はホントに吹き出してしまった


“Ryanair will consider offering passengers the chance to buy two bags for 50 cent,”
「Ryanairはお客様にこの袋を二つ50セントで買っていただけるようにするよう検討中です」


アホかい。


ここでの問題はこの袋が有償か無償かであってこの袋がいくらのかは問題じゃあないような気がする。1ユーロが50セントになったからってありがたがる人がいったいこの地球上に何人いるのだろうか。だいたいが、くされRyanairが客のことを考えているなんてありえない。


そうそう、この前の日記で扱った、「トイレ1ユーロ検討中」は「冗談でした」で片付けようとしているみたいです。私にはとても冗談には思えないのですが。


とまあ、ここまでだったら正直言って日記のネタにはしなかった。この続きが出てきたのだ。くされRyanairによる次なる仰天収益改善策はこれだっ。


Ryanair to charge €40 for boarding cards魚拓はこちら


タイトルだけじゃあどうにも意味不明でしょうから解説します。


このくされRyanair。現在空港の搭乗手続きカウンターを廃止しようと画策中。ほんで、搭乗手続きはネットでしろというわけ。ほんじゃあ、わしの預託荷物はどーなるのという方、この会社は空港のどっかにそれ専用のカウンター(荷物預け専用カウンター)を作って、それを使う人からは荷物ひとつ往復30ユーロを徴収しようということらしい。


実際現在でもネット上で搭乗手続きをしない人からは往復20ユーロの手数料を徴収中。ややこしいことこの上ないのだが、もし、空港で搭乗手続きをして預託荷物が一つある場合の手数料はなぜか50ユーロではなく40ユーロ。私に説明を求めないでください。このくされ会社のやることはおそらく神様でも理解不能です。


現状、ネット上で搭乗手続きをした人は手数料無料。が、もし、ネット上で手続きをするとしたにもかかわらず空港にネット上で印刷した搭乗券を持ってこなかった人には片道40ユーロの手数料を徴収するというのが今回のニュース。もし、自宅のコンピューターのプリンターの調子が悪く搭乗券を印刷できなければ40ユーロ。往復なら80ユーロ。…安いプリンターが一台買えます。


翻ってさっきのニュース。「Ryanairはお客様にこの袋を二つ50セントで買っていただけるようにするよう検討中です」とのことながら、空港のカウンターを使うと20ユーロの手数料が徴収される。つまり、袋の50セントを節約するために20ユーロの手数料がかかるという何の冗談かわからない状況が現出することになるわけですな。


こうして一見運賃は安そうでも、わけのわからん手数料等で実は結局安くないという会社。称して詐欺といいます。前回同様この会社に送る捨て台詞にて〆ます。


銀河系から消えてなくなれ。